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園長先生のおはなし

2008年2月の保育

−調和と教育−

 2月23日は音楽発表会です。今、園のあちこちからカスタネットやすずの音、鍵盤ハーモニカ、太鼓の音などが聞えてきます。まだ、グループごとの練習をしていますが、こうやって初めは一つ一つの楽器ごとに練習をし、時間をかけてみんなでひとつのものをつくりあげていきます。はじめは、バラバラだった音が、少しずつまとまって、きれいなハーモニーになってゆくのです。

 口で言うのは簡単なことですが、子どもたちにとってそれは簡単なことではありません。年少の子どもにとっては、初めて扱う楽器もあるでしょう。先生に教えてもらって、こうしようと思っても、そのとおりにいかないことも多いはずです。かたちのないところから、少しずつ、少しずつ、できあがっていきます。そして、周りのお友だちとのハーモニーということも、子どもたちは体で覚えていくのだと思います。

 たけのこクラスの子どもたちも同じです。まだ小さいたけのこクラスの子どもたちは、お母さんと一緒に登園して、少しずつ園の生活になれていきます。最初は小さなグループから、そして、少しずつほかの子どもたちとも一緒に遊べるようになります。たぶん、彼らのなかでは、初めはどうしていいのかわからないのかもしれません。どうやってお友だちと遊んだらいいのか、どうやってコミュニケーションをとったらいいのか、わからないなりに、少しずつ周りとのハーモニーをとることを体で覚えていくのかもしれません。

 かたちのないところから始まって、そして、かたちが定まらない、もやもやしたものになり、少しずつ子どもたちの中でハーモニーというものが生まれてくるのではないでしょうか。

 幼稚園では、体を動かして鍛えたり、心をはぐくむさまざまなカリキュラムもあります。けれども、人間は体だけでできているのでも、心だけがあるのでもありません。体と心、それがハーモニアス(調和的)に育てられてこそ、バランスのとれた心身がはぐくまれていくのだと思います。一人ひとりの子どもたちの中で、心と体の成長のハーモニーが育てられなければならないし、また幼稚園というひとつの小さな世界の中でも、他者と調和をとりながら生きていくことを学んでほしい。そんなふうに思っています。

 音楽発表会、子どもたちがどんなにハーモニアスな音楽を奏でてくれるか、とても楽しみにしています。

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