7月の保育
− 7月を迎えて −
郊外の田では田植えが終わり,夜はカエルの大合唱が響き渡っています。
私の家の周辺は,今でこそ多くの家が建ち並んでいますが,私が幼い頃はすぐ近くに田があり,カエルの大合唱を聞きながら夢の世界に入っていたことを昨日のように思い出します。
先日の月曜日,朝のお集まりの準備のために聖堂に行ったとき,聖堂の入り口に置いてある『心のともしび6月号』に目がいきました。『心のともしび6月号』のテーマは『自然に親しむ』,思わずすべてのページを読んでしまいました。その中で,私自身が強く共感した文がありましたので,紹介します。
「幼い頃から,自然界の命の営みに驚き,その美しさに感嘆する心情を育まれた子どもたちは,家庭で,学校で,働きの場で,相手に共感し,一人ひとりを尊重して共同体を築いていくことの大切さに気づきます。このような生き方を貫く人の存在は,相手をおとしめても自分の地位を確保しようとする風潮の社会にとって,イエス・キリストが言われた「世の光,地の塩」の役割を果たすのではないでしょうか。その人の心のうちにはいつも,創造主である神様への畏敬の念が満ちているからです。」(シスター菊池多嘉子)
「自然はいろんな姿を通して,私たちに語りかける。今から十年前の夏,子どもの頃からの憧れであったスイス・アルプスに出かけた。登山電車に揺られて着いたユングフラウ・ヨッホの展望台から見回すと,目の前に大きな氷河が横たわっていた。あまりのスケールの壮大さにただただ驚くばかりだった。ふと見ると,プレートが掲げてあった。そこには聖書の言葉として『全能者にして主なる神よ,あなたのみわざは,大いなる,また驚くべきものであります』と日本語で書かれていた。
自然は私たちをいやし,生命力を鼓舞し,喜びを与えてくれる。時に,壮大な姿を通して,驚きと畏敬の念も呼び起こしてくれる。自然に親しむひと時,それは,神さまと触れるひと時なのかもしれない。」(森田直樹神父)
自然からどんどんと離れて行っている私たち。
自然の中にどっぷりと身を置き,自然とゆっくりと会話を楽しみたいと思うのは,私一人ではないでしょう。