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園長先生のおはなし

2009年5月の保育

−痛みをとおして−

 幼稚園も、新しい年度を迎えました。

 4月7日は始園式、4月13日には入園式がありました。カトリック教会の今年の暦では、4月5日が受難の主日で、そこから始まる1週間は聖週間と呼ばれる、大切な1週間です。その期間に年中さん、年長さんの新学期が始まり、4月12日のご復活祭の次の日に新しい園児を迎えることができたのは、とても大きな意味があったと思います。

 イエス・キリストは、ご自分のすべてを神の前に投げ出し、苦しみと死を通して永遠のいのちに復活されました。永遠のいのちに至るには、自分のすべてを捧げ尽くす、自分の命をも捧げ尽くすということが、イエス・キリストという人を通して、私たちキリスト者の模範として与えられています。

 この春、ここに初めて通うようになった子どもたちにとっては、お母さんと離れる初めての経験をしていることでしょう。これまで、いつも、いつも一緒にいたお母さんと数時間、離れて過ごすことは、どれほどの環境の変化でしょうか。お母さんと離れるのがつらくて泣いている子どもたちを見るのは、毎年のこととはいえ、心が痛みます。でも、通らなくてはならない時間ですね。

 こんな話を聞きました。

 ある少女は、とても難しい病気で、輸血によって血をすべて入れ替えなければ助からないというのです。それも、その子に輸血できるのは、型の合う弟だけでした。まだ5歳の弟には、大きな選択が与えられました。主治医が5歳の彼にその話をしたところ、彼は言いました。「僕の血をおねえちゃんにあげて、それで助かるなら、僕はそれでいいよ」。幼い彼は、それがとても危険なことであることを理解していました。それがどれほど彼自身の健康を損なうか、彼の生命をも危ぶむことであるとも、理解していました。でも、「大好きなおねえちゃんの命を救えるなら、僕はいいよ」と彼は言いました。

 自分を捨てるということは、大人である私たちでも、なかなかできることではありません。けれども、それを選択することが求められることが人生にはあります。小さな人たち、初めてお母さんと離れる時間を過ごす子どもたちも、ささやかながら、そういう時間が求められているのかもしれません。今までとは違う、初めての体験、不安、恐れ。泣きたくなるのも当然だと思います。

 そういうところを通って、小さな入園児たちもたくさんのお友だちに出会い、先生たちと出会い、人生の新しい一歩を踏み出していくのだと思います。そんなふうに、入園児、一人ひとりを見守っていきたいと思います。

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