10月の保育
− 園長先生のことば −
郊外の田では黄金色の稲穂が頭を垂れるとともに,畦道には真っ赤な彼岸花が咲き誇っています。また,空に浮かんでいる雲が巻層雲や巻積雲などの高い雲になってきました。季節は着実に秋に向かって進んでいるようです。
10月11日(土)に行われる「運動会」に向けての練習が,ほぼ毎日園庭で行われています。時々,その練習の様子を見せてもらうのですが,お互いに励まし合ったり,助け合ったり,困っている友達をそっと助けたりしている姿をよく見かけます。そのような姿を見るたびに,心の奥底から温かいものがわき上がってくるのを感じます。「天の国に最も近いのは,幼子のような存在である」とイエス様が言われましたが,本当にそのとおりだなあ,と強く感じるこの頃です。
さて,私がこの桜町聖母幼稚園に来て6ヶ月が過ぎました。子どもたちとともに園生活を送る中で,驚かされたことがいくつかあります。
一つ目は,とても愛情のこもったお弁当を子どもたちが持って来ているということです。子どもたちが「とってもおいしいんだよ〜」と言いつつ満面の笑みをたたえながら食事をしている姿は,心をまん丸くしてくれます。
二つ目は,給食で野菜が出ても,「おいしいよね」と言いながらモリモリと完食していることです。給食を作ってくださった方達に感謝をしながら,出されたすべてのものを食べようとする姿は,とてもすばらしいと思います。
三つ目は,給食の準備や後片付けの時に,自分のしなければならないことをはっきりと認識し,その仕事をやりきっていることです。「このぐらいでかまわないだろう」と手を抜く子どもを見受けることはありません。その一生懸命さがまわりの人にさわやかさを感じさせるのでしょうね。
四つ目は,給食でおかわりをしに移動するときに,自分の座っていた椅子を机の下にきちんと入れてから行くことです。私が椅子を入れないでおかわりに行こうとしたら,横に座っていた子どもに「椅子を入れないと,うしろを通る人の迷惑になるでしょ!」と言われました。大人でもなかなかできない「まわりの人に迷惑をかけないように細心の注意を払うこと」ができている子ども達。思わず尊敬してしまいました。
五つ目は,先生が前に立ち「お話しがあるよ」と言うと,それまでまわりの友達とお話をしていた子どもたちが,ス〜と静かになっていくことです。何か大切なことを自分達のために言ってくださるんだ,という目で一斉に先生を見つめる姿に感心させられました。
本当にすばらしい子ども達です。このような子ども達に育ったのも,ひとえにご家庭での教育のおかげだと思います。
桜町聖母幼稚園の職員一同,このすばらしい子ども達の将来にわたっての幸せを願い,日常の教育・保育活動を進めていきますので,今後ともよろしくお願い致します。