7月の保育
− 7月の園長先生のお話 −
1年中で太陽が出ている時間が最も長くなる時期を迎えました。郊外の田では田植えが終わり,可愛いイネが風にそよぐ光景は心和ませくれるものだと,早朝に愛犬と散歩しながら思うこの頃です。もう少しすると,日中はカブトエビが元気に田の水の中を泳ぎ回り,夜はカエルの大合唱が響き渡るようになることでしょう。
6月26日と27日の「自由参観」には,多くの保護者の方々が参観していただき,本当にありがとうございました。保護者の方々の教育に対する関心の高さに感銘を受けるとともに,私たち桜町聖母幼稚園教職員もお子様一人ひとりを大切に育まなければ,と心に刻んだ2日間でした。
6月23日(土)の「沖縄慰霊の日」に中学3年生相良倫子さんが朗読した「平和の詩」
は衝撃的でした。その一部を紹介します。
七十三年前、私の愛する島が,死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは,恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は,爆撃の轟に消えた。
青く広がる大空は,鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り,光り輝いていた海の水面は,戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎,幼子の泣き声,燃えつくされた民家,火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。
血に染まった海。
魑魅魍魎の如く,姿を変えた人々。
阿鼻叫喚の壮絶な戦の記憶。
みんな,生きていたのだ。
私と何も変わらない,懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を,それぞれの未来を。
疑うことなく,思い描いていたんだ。
家族がいて,仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。
生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。
手をとり合って生きてきた,私と同じ,人間だった。
それなのに。
壊されて,奪われた。
生きた時代が違う。ただ,それだけで。
無辜の命を。あたり前に生きていた,あの日々を。
戦力という愚かな力を持つことで,得られる平和など,本当は無いことを。
平和とは,あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。
もうすぐ夏休みです。次のことに留意しながら,有意義な夏休みを送ってほしいと思います。
・子どもが規則正しい生活を送るように,指導助言をお願いします。
・子どもが自分でできる環境を整えましょう。
・子どもが何かしようとするときは,ゆっくりと待ってあげましょう。
・ゆとりを持って子どもと接しましょう。
9月3日(月)に,様々なことを体験して一回り成長した姿を見せてくれることを心から楽しみにしています。